特集 小児感染症の話題
5.COVID-19に合併した非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)の1男児例
中里 綾香
1
,
太田 穂高
1
,
藤澤 淳子
1
,
荻野 仁志
1
,
中村 雅也
1
,
林 良一
1
,
小林 舞
1
,
山下 敦士
1
,
鈴木 尚史
1
,
山口 佳子
1
,
大森 雄介
1
,
西森 久史
1
,
杉山 謙二
1
1地方独立行政法人三重県立総合医療センター小児科
pp.434-439
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003017
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新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19)のオミクロン株小児例は一般的に軽症であるが,重篤な基礎疾患を認める場合には重症化に注意を要する.今回,われわれはCOVID-19 を契機にTMA を発症し,補体関連遺伝子検査の結果からC3 ヘテロ接合体変異(Ile 1157 Thr)が判明し,aHUSの診断に至った13 歳男児例を経験した.感染症を契機に発症した二次性TMA が想定された小児例では,TMA の家族歴がない場合でも,aHUSの可能性があるため,補体関連遺伝子解析を積極的に行ったほうがよいと考える.aHUSの確定診断がつけば,再発時に血漿交換の他にエクリズマブの投与が容易になる.
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