[連載] 最近の外国業績より
循環器
日本医科大学小児科学教室
pp.108-111
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002049
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背 景 弁付き導管による右心室流出路(RVOT)の再構築は,さまざまな構造的心奇形に必要であり,小児心臓手術で最も一般的な手術の1つである.RVOT再建のための弁付き同種移植片や異種移植片は,耐久性に欠け,患者の成長に伴い成長しないため,繰り返しの手術を要する.現在使用されている合成移植片(ePTFEなど)は,通常生体安定性があり,組織の反応が最小限の不活性物質である.われわれは,生体吸収性の弁付き導管(Xeltis pulmonary valve:XPV)を設計し,小児に初めて臨床使用した.移植された移植片材料は,患者自身の細胞と蛋白質を引き付け,内因性組織で復元されると同時にXPVは吸収されなくなる.動物の組織学的データに基づくと,弁が機能的に天然組織に置き換わるまでに最大12か月かかるとされており,移植後12か月での経過を報告する.
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