特集 日常診療で見落としたくない神経疾患
Ⅰ 説明しにくい症状・軽度の徴候のみのため見逃されやすい疾患
6.軽度の知的障害(神経発達症を除く)
吉野 豪
1
,
稲垣 真澄
1
1鳥取県立鳥取療育園小児科
キーワード:
知的能力障害
,
DSM-5
,
境界知能
,
不登校
,
乳幼児健診
Keyword:
知的能力障害
,
DSM-5
,
境界知能
,
不登校
,
乳幼児健診
pp.999-1005
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002719
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知的能力障害は「発達期に発症し,概念的,社会的,および実用的な領域における知的機能と適応機能との両面の欠陥を含む障害」とされ,IQ値単独ではなく,適応機能と併せて診断することが重要である.軽度の知的能力障害は一般的に身体症状には特記すべきものはなく,幼児期や小児期でも気づきのタイミングが遅れがちとなる.学齢期から青年期に至っても気づかれずにいると,学業面や福祉的支援そして就労支援を受ける機会が失われてしまうこともある.さまざまな活動の困難や参加制約の事態を防ぐべく,小児科医として可能なアプローチは,就学前の3歳児健診や5歳児健診の内容に注目し,適切な時期に気づき,そして支援につなげることである.
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