特集 外来で診る発達障害――基礎知識 & よくある相談への対応
Ⅰ 総論
1.発達障害とは
-――定義・分類を含めた臨床特徴
古荘 純一
1
1青山学院大学教育人間科学部
キーワード:
発達障害
,
神経発達症
,
DSM-5
,
ICD-11
,
併存症
Keyword:
発達障害
,
神経発達症
,
DSM-5
,
ICD-11
,
併存症
pp.1189-1196
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002334
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現在,発達障害の臨床診断はDSM-5で行われ,支援は発達障害者支援法に基づき,国や行政における登録傷病名はICD-10(現在ICD-11の導入に向けて準備中)に依拠している.そのため同じ疾患でもそれぞれ用語が異なり注意を要する.
発達障害の特徴として,定型発達との境界が明確でなく,症状は多彩で,外見からはその要因はわかりにくい.一方で,その割合は多く,発達に伴って症状の消失や出現もあり診断は変わり得る.本稿では,発達障害の変遷をふまえて,2013年のDSM-5の診断分類,2019年のICD-11における自閉スペクトラム症,注意欠如・多動症,学習障害の定義の新たな記載内容を紹介した.
小児医療の現場では,過剰診断,診断の見直し,見落としに留意し,各種連携をとり,ニーズに応じた支援につなげたい.
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