綜説
JAK阻害薬の適応と最近の話題
三輪 友紀
1
,
大西 秀典
1
1岐阜大学大学院医学系研究科小児科学
キーワード:
JAK阻害薬
,
関節リウマチ
,
潰瘍性大腸炎
,
骨髄線維症
,
アトピー性皮膚炎
Keyword:
JAK阻害薬
,
関節リウマチ
,
潰瘍性大腸炎
,
骨髄線維症
,
アトピー性皮膚炎
pp.1387-1395
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002380
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分子生物学の進歩により,サイトカインは幹細胞の分化や自然免疫の活性化,ヘルパーT細胞の調節など免疫系のネットワークのさまざまな段階において重要な役割を果たしていること,およびその分子機構が詳細に明らかになってきた1).また,自己免疫疾患や炎症性疾患の病態生理においても中心的な役割を担っている.サイトカインのシグナル伝達に関与するヤヌスキナーゼ(JAK)は,非常に多岐にわたる幅広いサイトカインの作用を介在していることから,この段階を遮断することで自己免疫疾患や炎症性疾患の治療に有用であることが判明し2),近年ではさまざまなJAK阻害薬が開発され,現在わが国では8種類のJAK阻害薬が承認されている.本稿ではJAK-STAT系や日本国内で利用可能な各JAK阻害薬の作用機序や適応疾患などについて解説する.
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