特集 外来で診る発達障害――基礎知識 & よくある相談への対応
Ⅳ よくある相談への対応
11.がまんができない・かんしゃく
-――「思い通りにならないとかんしゃくを起こす」「とにかく言うことを聞かない」など
山崎 知克
1,4
,
山崎 晃子
2
,
岩崎 美奈子
3,4
1浜松市子どものこころの診療所精神科
2浜松市子どものこころの診療所言語相談室
3早稲田大学総合研究機構社会的養育研究所
4東京慈恵会医科大学附属病院母子医療センター
キーワード:
かんしゃく
,
自閉スペクトラム症(ASD)
,
不安定型アタッチメント
,
交渉
,
薬物療法
Keyword:
かんしゃく
,
自閉スペクトラム症(ASD)
,
不安定型アタッチメント
,
交渉
,
薬物療法
pp.1257-1261
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002346
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幼児期の発達診療でよくみかける「かんしゃく」について詳しく述べた.子どものかんしゃくが二語文発話の時期「イヤイヤ期」にあるか,かんしゃくに波や日差・場面差があるか,親の子どもへの要求水準が高すぎないか,子どもの自閉スペクトラム症(ASD)特性の強さなどを確認することが重要である.ASD児が学ぶべき社会的ルールとして,自分の要求を叶えるための「適切な要求を伝えるコミュニケーション」,「まず集団のルールや自分のやるべきことをやること」,「相手に嫌われることをしない」などを1つひとつ教育する必要があり,そのため方法として「交渉」と「視覚支援」があることを説明した.それでも症状が改善しない際には,薬物療法を検討するべきであることを述べた.
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