特集 小児の腎疾患を見つめ直す――基礎と臨床
10.腎移植とその後の管理
石塚 喜世伸
1
,
三浦 健一郎
1
,
服部 元史
1
1東京女子医科大学腎臓小児科
キーワード:
小児腎移植
,
抗体関連拒絶
,
ウイルス感染症
,
巣状分節性糸球体硬化症
Keyword:
小児腎移植
,
抗体関連拒絶
,
ウイルス感染症
,
巣状分節性糸球体硬化症
pp.643-651
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002193
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小児末期腎不全患者において,腎移植は患児の発達や成長の観点からもっとも有効な治療法である.小児腎移植の多くが生体腎移植であるが,近年,レシピエント選択基準の改定に伴い献腎移植の増加が期待されている.ABO血液型不適合移植や抗ドナー抗体陽性移植など免疫学的ハイリスク症例の腎移植では,術前の血漿交換やリツキシマブを用いた減感作療法を必要とし,巣状分節性糸球体硬化症では,病因分類による移植後の再発のリスク評価を行い,再発予防処置を移植前に行う必要がある.腎移植後には,とくに思春期を中心とした怠薬を原因とする抗体関連拒絶が問題となり,さらに小児ではウイルス感染が多く,適切なモニタリングを行う必要がある.
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