今月の主題 腎移植
腎移植の実際
小児腎移植
河村 毅
1
,
本山 治
2
,
相川 厚
3
Takeshi KAWAMURA
1
,
Osamu MOTOYAMA
2
,
Atsushi AIKAWA
3
1東邦大学医療センター大森病院腎センター
2東邦大学医療センター佐倉病院小児科
3東邦大学医学部腎臓学教室
キーワード:
小児腎不全
,
小児腎移植
Keyword:
小児腎不全
,
小児腎移植
pp.791-795
発行日 2008年7月15日
Published Date 2008/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101649
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小児腎不全の最善の治療は腎移植である.体格の小さな患児へ成人の腎臓を移植する場合,循環動態の管理を中心に慎重な対応が必要である.近年の小児腎移植の成績は良好であり,条件が整えば透析療法導入前のpreemptiveな腎移植術が推奨される.また,ABO式血液型不適合腎移植は小児でも導入されており,腎不全の原疾患にかかわらず,移植適応は拡大されてきている.その背景には腹膜透析も含めた小児腎不全管理全体の質の向上がある.移植機会に恵まれないわが国の慢性腎不全患児では,いかに良い条件で腎移植を行うかが大切であり,小児腎臓内科医と移植外科医,他のスタッフと綿密に連携し,患児の将来を見通した腎不全の総合的な長期治療計画を立てる必要がある.
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