特集 小児の腎疾患を見つめ直す――基礎と臨床
8.頻回再発型・ステロイド依存性ネフローゼ症候群に対する免疫抑制薬と生物学的製剤
藤永 周一郎
1
,
櫻谷 浩志
1
,
大友 義之
2
1埼玉県立小児医療センター腎臓科
2順天堂大学練馬病院小児科
キーワード:
頻回再発型・ステロイド依存性ネフローゼ症候群
,
免疫抑制薬
,
生物学的製剤
Keyword:
頻回再発型・ステロイド依存性ネフローゼ症候群
,
免疫抑制薬
,
生物学的製剤
pp.630-636
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002191
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特発性ネフローゼ症候群は,小児慢性腎疾患のなかで最も頻度が高く,一般の小児科医が診療する機会も少なくない.ほとんどはステロイド感受性であるが,約3分の1の頻回再発型・ステロイド依存性に対しては,ステロイド薬の副作用を回避する目的で,免疫抑制薬と生物学的製剤が推奨されている.しかしながら,これらの薬剤による再発抑制効果は一時的であり,難治性の患児は高率に成人期も再発が持続する.したがって免疫抑制薬や生物学的製剤を開始する際は,結果的に長期・複数投与になることも念頭において,その有効性と安全性のバランスを考慮することが重要である.
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