ネフローゼ症候群 診療の新たな潮流 ネフローゼ症候群の診断と病型分類
薬剤によるネフローゼ症候群
杉山 斉
1
1岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科慢性腎臓病対策腎不全治療学
キーワード:
Diphosphonates
,
Interferons
,
ネフローゼ症候群
,
生物学的製剤
,
非ステロイド系抗炎症剤
,
抗リウマチ剤
,
Bevacizumab
Keyword:
Bevacizumab
,
Anti-Inflammatory Agents, Non-Steroidal
,
Biological Products
,
Diphosphonates
,
Interferons
,
Nephrotic Syndrome
,
Antirheumatic Agents
pp.709-714
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013356248
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薬剤によるネフローゼ症候群は,糸球体バリア(糸球体上皮細胞,基底膜,内皮細胞)の破綻による機序が主体である.ネフローゼ症候群の副作用報告において,薬剤別ではbucillamineが最多の頻度である(平成19~20年度).薬剤によるネフローゼ症候群の早期診断では,薬剤による作用を疑うことから始まり,さらに症例ごとに内服中の薬剤の種類と,過去の薬剤投与歴の両者を把握することが重要である.原発性のネフローゼ症候群と診断する前に,薬剤性のネフローゼ症候群の可能性を除外しておく必要がある.近年の分子標的治療薬,生物学的製剤の普及に伴い,わが国で既報のない副作用としての薬剤によるネフローゼ症候群に遭遇する可能性がある.薬剤によるネフローゼ症候群が疑われた場合には,被疑薬の休薬とともに,可及的に腎生検による腎組織診断を行い,鑑別診断や病態の把握,適切な治療方針の決定につなげていく.
©Nankodo Co., Ltd., 2013