特集 JRC蘇生ガイドライン2020
1.国際蘇生連絡委員会(ILCOR)におけるガイドライン策定上の新しい潮流
池山 貴也
1
1あいち小児保健医療総合センター集中治療科
キーワード:
小児蘇生
,
ガイドライン
,
救命の連鎖
,
心停止後の回復
,
小児医療体制
Keyword:
小児蘇生
,
ガイドライン
,
救命の連鎖
,
心停止後の回復
,
小児医療体制
pp.255-261
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002093
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国際蘇生連絡委員会(ILCOR)は引き続きGRADEシステムを用いているが,国際コンセンサス2020から,3つのエビデンス評価方法を導入している.各国や各蘇生協議会レベルでは,同じコンセンサスを用いたにもかかわらず,小児の蘇生のガイドラインでは,推奨で差異が生じている.最も顕著なのは高度気道確保後の心肺蘇生(CPR)中人工呼吸回数である.本稿では,こうした違いがどのようにして生じているか,わが国の今後の課題に関して記述している.とくにJRC2020では,心停止後の回復に関する項目が存在せず,言及されていない.わが国でも心停止を生き延びた小児とその家族が抱える,身体的,精神的,経済・社会的問題を総合的にフォローアップする地域ごとの体制作りが今後の課題と考えられる.
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