１．心肺蘇生

小児の心停止の原因は，呼吸状態の悪化や呼吸停止に引き続く心停止（呼吸原性心停止）が多く，低年齢の乳幼児になるほどその傾向が強い．心停止を迎えた小児の転帰は不良である一方，呼吸停止の状態で発見され，心停止前に治療開始された場合の救命率は70％以上と報告されている．院内心停止においては，循環不全・ショックに続発する心停止が最大の原因であると報告されている．小児の心肺蘇生においては救命率の改善のために，小児の心停止に直結する呼吸障害やショックなどの兆候にいち早く気づき，迅速に対応することが求められる．本稿では，コンセンサス形成に配慮されたJRC蘇生ガイドラインにおける「小児の蘇生」に準じて解説を行う．