徹底分析シリーズ 心肺蘇生の薬
心肺蘇生の薬―国際蘇生連絡協議会(ILCOR)の分析結果を中心に
中木 敏夫
1
Toshio NAKAKI
1
1帝京大学医学部 薬理学講座
pp.316-324
発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100281
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国際蘇生連絡協議会(ILCOR)*1は,Medline,EMBASE,Cochrane Systematic Reviewsに含まれる論文を精査し,一定の様式に従って評価した。その評価についてさまざまな学会で議論が重ねられた。特に2005年1月にダラスで開催された会議(The 2005 International Consensus Conference on Cardiopulmonary Resuscitation and Emergency Cardiovascular Care Science With Treatment Recommendations)では,参加者も多く活発に議論されたという。ただし,そこで出された結論が直ちにガイドラインとなっているのではなく,各国の事情に照らし合わせてそれぞれがガイドラインを作成すべきとしている。
ダラスの結論はCirculation誌1)やResuscitation誌に掲載された。Circulation誌2)では,さらに協議会の結論を踏まえて米国のガイドラインをも掲載している。ここでは心停止に用いる薬物および輸液の項目に記載された内容を中心に述べ,さらに薬理学的な基本事項にも触れる。証拠としてのレベル(LOE)*2についてLOE1以外は煩雑さを避けるため個々の文献に併記しなかったが,各文献のLOEが知りたい読者は文献2を直接参照していただきたい。
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