特集 ここまで進歩した生物学的製剤と分子標的薬
3.血液疾患
-――血友病治療の歴史と現在地
鈴木 伸明
1
1名古屋大学医学部附属病院輸血部
キーワード:
血友病
,
血漿由来製剤
,
遺伝子組換え製剤
,
半減期延長製剤
,
ノンファクター製剤
Keyword:
血友病
,
血漿由来製剤
,
遺伝子組換え製剤
,
半減期延長製剤
,
ノンファクター製剤
pp.139-147
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002066
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血友病治療はこの40年あまりで劇的に進化した.1970年代は血漿濃縮製剤が治療効果の向上をもたらしたが,1980年代は薬害エイズという大きな事件を契機にして,血漿由来製剤の安全性を追求した時代となった.そして,1990年代に入り登場した遺伝子組換え製剤は血友病治療に安全と安心をもたらし,血友病の治療目的は救命からADL改善に変化していった.2010年代には作用時間の向上を目指した半減期延長製剤が登場し,治療の利便性が向上.そして,2020年代は皮下注射であることと,フラットな薬効を特徴にしたノンファクター製剤の台頭で幕を開けている.
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