特集 ここまで進歩した生物学的製剤と分子標的薬
2.膠原病・血管炎
-――生物学的製剤と分子標的薬の開発と位置づけ
秋岡 親司
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科小児科学
キーワード:
寛解導入・維持
,
臓器別アプローチ
,
多剤併用療法
,
グルココルチコイド減量
,
オフラベル使用
Keyword:
寛解導入・維持
,
臓器別アプローチ
,
多剤併用療法
,
グルココルチコイド減量
,
オフラベル使用
pp.129-138
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002065
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解析技術の進歩により,分子レベルの病態把握が可能な時代となった.全身性エリテマトーデス(SLE)にベリムマブ,高安病にトシリズマブ,川崎病にインフリキシマブと,遅ればせながら小児の膠原病・血管炎の領域にも生物学的製剤・分子標的薬がやってきた.保険収載薬がない皮膚筋炎でも,オフラベル薬の使用経験が語られるようになった.しかし,いずれもグルココルチコイドや免疫抑制薬への併用が前提であり,難治例や再発例のオプションにすぎない.単剤治療や休薬寛解の可能性を論じるレベルにもない.成人とは異なる小児の課題,安全面での配慮点も不明である.真のパラダイムシフトを目指した開発は始まったばかりである.
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