Japanese
English
特集 脳血管性障害・II
脳における血管炎・膠原病
Angiitis and Collagen Disease in the Brain
原田 憲一
1,2
Ken-ichi Harada
1,2
1東京大学精神医学教室
2東京大学脳研究所病理部
1Department of Psychiatry, School of Medicin, University of Tokyo
2Research Institute of Brain, University of Tokyo
pp.622-638
発行日 1961年9月25日
Published Date 1961/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903940
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
「脳における血管炎・膠原病」という,大きなしかもかなり漠然とした課題に入つていく前に,問題の輪廓をはつきりさせるために,それらが一般血管疾患ないし脳の血管疾患(cerebrovasculardisease)全体の中でどんな位置をしめているかを一瞥しよう。
ここでは,一般病理学で血管疾患がとりあつかわれる場合の概観としてAnderson1)とBüchner2)のそれをあげ,脳におけるそれとしてBailey3)とLindenberg4)を引用した。第1表に示したように,いわゆる「血管炎」および「膠原病」の,血管疾患全体の中での位置づけは未だ確定されてはいない。それは個々の血管炎に対する病因論的および病理形態学的見解が完全に一致していないためである。Anderson,Hall1)は全身性エリテマトーデス,リューマチ性動脈炎,periarteritis nodosa,temporal arteritisにmalignant nephrosclerosisを加えてnecrotizing angioses(arteritis)としてまとめ,thromboangiitis obliteransをsclerodermiaなどとともに別項目として述べている。Büchner2)はそのMonographの「動脈の病理学」の項で表の如く血管病変を列記した。ここでは,膠原病を血管炎の立場からみるアメリカ学派の考え方はうけいれられていない。
Copyright © 1961, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.