診療
湿疹を有する乳児の月齢ごとのアレルゲン感作の検討
高橋 豊
1
,
高橋 和樹
1
,
平松 泰好
1
,
下村 真毅
1
,
谷口 宏太
1
,
大倉 有加
1
,
縄手 満
1
,
小林 一郎
1
1KKR札幌医療センター小児・アレルギーリウマチセンター
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
食物アレルギー
,
特異的IgE抗体価
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
食物アレルギー
,
特異的IgE抗体価
pp.91-96
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002046
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食物アレルギーの発症予防にはアレルゲンとなる食物の早期摂取が重要であることが明らかになった.早期摂取を安全に進める目的で湿疹を有する乳児223例の月齢ごとの各種特異的IgE抗体価を測定した.卵白特異的IgE抗体陽性率は月齢2,3ですでに60%を超え,月齢が進むとさらに上昇し,月齢9~11では88.0%に達した.牛乳,小麦ではそれに遅れて陽性化してくる.また卵白では月齢3から,牛乳,小麦は月齢4ないし5からクラス3以上の特異的IgE抗体価を示す例が散見され,卵白に関しては早期摂取時期として想定される月齢4,5ではそれぞれ56.1%,55.6%がクラス3以上の抗体価を示した.現状では中等症以上の湿疹を有する児に関しては感作状況を確認したうえで早期摂取を進めるのが安全であると思われた.
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