綜説
泌尿器科医による夜尿症の診かた
内藤 泰行
1
1京都府立医科大学泌尿器科
キーワード:
単一症候性夜尿症
,
非単一症候性夜尿症
,
定時排尿
,
便秘治療
,
下部尿路症状
Keyword:
単一症候性夜尿症
,
非単一症候性夜尿症
,
定時排尿
,
便秘治療
,
下部尿路症状
pp.83-89
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002045
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夜尿症とは5歳以上の小児の就眠中の間欠的尿失禁とされ,睡眠中に本人の意思とは関係なく排尿することをいう.夜尿症の原因としては,夜間の膀胱の貯蔵能力(膀胱容量の減少),夜間の尿の生成(夜間多尿),睡眠から覚醒する能力の3つの要因があり,1つあるいは複数の要因が関与しているとされる.われわれ泌尿器科医は,夜尿に加えて昼間の下部尿路症状(LUTS)を合併する症例と定義される非単一症候性夜尿症(NMNE)の治療に取り組む機会が多い.便秘を併存している場合はまず排便治療を開始し,排便状態が改善もしくはもともと併存していなければ定時排尿などの行動療法を行う.さらに行動療法にじっくり取り組んでも効果が不十分な場合には抗コリン薬の内服を考慮する.
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