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増刊号特集 最近のトピックス2020 Clinical Dermatology 2020
3.新しい検査法と診断法
即時型新規魚アレルゲンmyosin heavy chain
A novel fish allergen, myosin heavy chain
柴田 夕夏
1
,
世良田 聡
2
,
大石 拓
3
,
藤枝 幹也
3
,
仲 哲治
2
,
佐野 栄紀
1
Yuka SHIBATA
1
,
Satoshi SERADA
2
,
Taku OISHI
3
,
Mikiya FUJIEDA
3
,
Tetsuji NAKA
2
,
Shigetoshi SANO
1
1高知大学医学部皮膚科学講座
2高知大学医学部附属病院免疫難病センター
3高知大学医学部小児思春期医学講座
1Department of Dermatology, Kochi Medical School, Kochi University, Nankoku, Japan
2Center for Intractable Immune Disease, Kochi Medical School, Kochi University, Nankoku, Japan
3Department of Pediatrics, Kochi Medical School, Kochi University, Nankoku, Japan
キーワード:
食物アレルギー
,
アトピー性皮膚炎
,
アレルゲン
Keyword:
食物アレルギー
,
アトピー性皮膚炎
,
アレルゲン
pp.71-76
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206020
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summary
魚アレルギーは頻度が高く,診断や治療に難渋する症例も多い.魚アレルギーの主要抗原はパルブアルブミンなどがよく知られているが,必ずしも抗原が特定できないこともあり,未知の抗原が関与している可能性があった.われわれは,サケ蛋白抽出液を粗抗原としてウエスタンブロットを施行し,魚アレルギー患者6例中5例に共通して約230kDaの蛋白質に血清IgEが結合することを見い出した.質量分析によりこれをmyosin heavy chain(MYHC)と同定した.リコンビナントサケMYHC蛋白は患者の末梢血好塩基球を活性化することより,抗原特異的IgEの結合のみならずアレルギー反応を誘導することを確認した.また,これらの患者はすべてアトピー性皮膚炎を有していたことより,皮膚バリア機能の障害が高分子量のMHYCに感作されるリスクを高めた可能性を考えた.
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