綜説
アトピー性皮膚炎の新しいバイオマーカーSCCA2
藤澤 隆夫
1
1国立病院機構三重病院小児科・アレルギーセンター
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
Th2サイトカイン
,
重症度
,
治療反応性
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
Th2サイトカイン
,
重症度
,
治療反応性
pp.1537-1544
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001981
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SCCAは子宮頸癌で初めて同定されたが,Th2サイトカインで誘導され,アトピー性皮膚炎で血清中濃度が上昇するため,小児アトピー性皮膚炎の疾患活動性を反映するバイオマーカーとして保険適用された.SCCA1とSCCA2の2つの分子があるが,臨床検査としては後者が開発された.血清SCCA2はアトピー性皮膚炎の重症度に相関して高値をとり,治療によって症状が改善すると低下する.小児アレルギー疾患のなかではアトピー性皮膚炎に特異的で,カットオフ値1.6ng/mLにおいて高い感度と特異性を示す.同様のマーカーであるTARCと比較すると単一のカットオフ値(TARCは年齢別に異なる)である点がすぐれている.
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