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特集 小児臨床検査2024
Ⅹ.アレルギー検査
6.アトピー性皮膚炎関連―TARC,SCCA2
Atopic dermatitis related, TARC, SCCA2
長尾 みづほ
1
Mizuho Nagao
1
1国立病院機構三重病院臨床研究部
キーワード:
TARC
,
SCCA2
,
アトピー性皮膚炎
,
バイオマーカー
Keyword:
TARC
,
SCCA2
,
アトピー性皮膚炎
,
バイオマーカー
pp.338-341
発行日 2024年10月25日
Published Date 2024/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001951
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1 検査の意義と適応
TARC(thymus and activation-regulated chemokine)はTh2細胞に特異的に発現するケモカイン受容体CCR4のリガンド(CCL17)であり,Th2型免疫反応のマーカーになりうるとされている。樹状細胞,皮膚のケラチノサイト,皮膚の血管内皮細胞と線維芽細胞,気道上皮細胞,血小板などから産生されるが,IL-4とTNF-αによる刺激では,ケラチノサイトではなく皮膚血管内皮細胞と線維芽細胞から誘導されたと報告されており,アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis:AD)の実際の病態での産生源はこれらの細胞である可能性がある1)。SCCAはセルピン(serpin)スーパーファミリーに属するセリンプロテアーゼインヒビターで(serpinは,serine protease inhibitorに由来),染色体18q21.3.に位置するSERPINB3とSERPINB4という相同性の高い遺伝子にそれぞれコードされたSCCA1とSCCA2という2種類の蛋白である2)。IL-4,IL-13によって誘導されるTh2関連分子であり,SCCA1と比較して,SCCA2の方がADの重症度との相関が優れている3)。
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