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第1土曜特集 基盤病態としての慢性炎症
アトピー性皮膚炎の病期における病態推移
Pathophysiological difference through the phase of atopic dermatitis
小亀 敏明
1
,
江川 形平
1
,
椛島 健治
1
Toshiaki KOGAME
1
,
Gyohei EGAWA
1
,
Kenji KABASHIMA
1
1京都大学大学院医学研究科皮膚科学
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
Th2サイトカイン
,
生物学的製剤
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
Th2サイトカイン
,
生物学的製剤
pp.14-18
発行日 2022年7月2日
Published Date 2022/7/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2820114
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アトピー性皮膚炎の発症機序は,①皮膚バリア機能異常,②免疫・アレルギー学的異常,③痒みの異常,の3点を軸に捉えることでその理解が大きく進んだ.外来抗原に対する防御機構として合目的的に発達してきた皮膚組織修復応答であるが,角層バリアに脆弱性を持つアトピー性皮膚炎患者では,皮膚組織修復応答が過剰に反応し悪循環を起こしている病態と理解される.さらにアトピー性皮膚炎の分子生物学的機構の解明が進むことで,急性期におけるサイトカインプロファイルや関連する免疫細胞の構成が,慢性期におけるそれらとは大きく異なることが明らかとなった.一方,生物学的製剤をはじめとする新規薬剤での治療において不可逆的な変化と考えられていた苔癬化症状の改善が報告されるようになった.今回,近年のアトピー性皮膚炎研究における新知見をもとに最新の治療戦略を考察する.
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