特集 ウイルス感染とその合併症――「風邪は万病のもと」を考える
4.ウイルス感染症に伴う神経疾患
奥村 彰久
1
1愛知医科大学医学部小児科
キーワード:
急性脳炎・脳症
,
急性弛緩性脊髄炎
,
Guillain-Barré症候群
,
新生児脳炎
Keyword:
急性脳炎・脳症
,
急性弛緩性脊髄炎
,
Guillain-Barré症候群
,
新生児脳炎
pp.1451-1460
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001967
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ウイルス感染症に伴う小児の神経疾患は,きわめて多彩である.一次性脳炎では単純ヘルペス脳炎が代表的である.急性脳炎・脳症にはさまざまな症候群があり,けいれん重積型(二相性)脳症,可逆性脳梁膨大部病変を有する軽症脳炎・脳症,急性壊死性脳症,出血性ショック脳症症候群などが挙げられる.また,脳幹脳炎や小脳炎についても知っておくとよい.急性弛緩性脊髄炎はエンテロウイルスD68感染症の流行に伴って多発し,最近注目されている.一方,Guillain-Barré症候群は古くからさまざまなウイルス感染症に続発することが知られている.新生児では,単純ヘルペスウイルスやパレコウイルス感染症などが脳炎の病原体となり得る.
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