症例
関節炎の鑑別に血液培養複数セット採取が有用であったA群β溶血性レンサ球菌感染後反応性関節炎の幼児例
遠藤 理紗
1
,
大竹 正悟
1
,
松村 治
2
,
山口 貴弘
3
,
笠井 正志
1
1兵庫県立こども病院感染症内科
2兵庫県立こども病院救急総合診療科
3大阪健康安全基盤研究所微生物部細菌課
キーワード:
A群β溶血性レンサ球菌
,
溶連菌感染後反応性関節炎
,
化膿性関節炎
,
血液培養
,
予防内服
Keyword:
A群β溶血性レンサ球菌
,
溶連菌感染後反応性関節炎
,
化膿性関節炎
,
血液培養
,
予防内服
pp.1380-1384
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001945
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小児の関節炎の診断に関して,化膿性関節炎では画像所見や関節液培養の他に補助的に血液培養を複数セット採取することが推奨されている1).一方で,反応性関節炎は先行する感冒のエピソードと臨床所見から疑われるが,多くの反応性関節炎の先行感染は無症候性か軽微な感染である2).また診断基準も明確には定められておらず,他の疾患の除外により初めて診断される3).そのため先行感染が軽微でエピソードが聴取されない場合に,反応性関節炎が見逃されている可能性がある.今回,関節炎症状を呈した児の血液培養3セット中1セットからA群β溶血性レンサ球菌(group A Streptococcus:GAS)を検出したことでGAS感染が証明され,溶連菌感染後反応性関節炎(poststreptococcal reactive arthritis:PSRA)と診断して心炎の予防内服に至った1例を経験したため報告する.
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