特集 新しい時代の小児感染症
各論:原因微生物別
細菌
A群溶血性レンサ球菌・B群溶血性レンサ球菌・Streptococcus属
池辺 忠義
1
IKEBE Tadayoshi
1
1国立感染症研究所細菌第一部
pp.581-584
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000849
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はじめに
Streptococcus属は,グラム陽性の球菌であり,小児に対してさまざまな疾患をひき起こす。Streptococcus属がひき起こす主な疾患は咽頭炎,扁桃炎,猩紅熱,丹毒,蜂窩織炎,続発症として急性糸球体腎炎やリウマチ熱などであり,さらに重篤な症状として髄膜炎,壊死性筋膜炎,劇症型溶血性レンサ球菌感染症も本菌による疾患として注目されている。A群溶血性レンサ球菌(A群溶連菌)は,健康な人の咽頭,皮膚などにも存在し,B群溶血性レンサ球菌(B群溶連菌)は,腟や直腸,膀胱などに常在している。
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