特集 外国人小児の診療・子育て支援
1.日本における外国人小児の診療
-―総論
Peter Y. Shane
1
1北海道大学病院国際医療部
キーワード:
外国人小児
,
多言語対応
,
輸入感染症
,
予防接種
Keyword:
外国人小児
,
多言語対応
,
輸入感染症
,
予防接種
pp.217-222
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001654
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日本には約25万人の外国人小児が特定の地域自治体に集中しており,出身国によって偏在している.そのため,小児科医療においては,診療圏における外国人の属性を事前に把握し,言語対応を中心に準備する必要がある.最大の課題である意思の疎通が叶えば,治療方針に対するコンプライアンスも向上し,トラブルも起こり難い.診療自体は通常と変わらないが,輸入感染症にはとくに注意を払う.予防接種に関しては,母国での接種歴と日本のスケジュールを照らし合わせ,以降の接種方針を保護者と調整する.保険診療の実施にあたって,日本の医療システムへの理解を得ることは大切であるが,通常診療とくらべて大幅に時間がかかることが大きな負担となっている.
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