感染症対策update-ひろげない,ふやさない,もらわない 外来・在宅・特殊環境における感染症予防
内科外来・救急外来における感染症の予防
坂本 史衣
1
1聖路加国際病院 QIセンター感染管理室
キーワード:
ワクチン
,
病院救急医療サービス
,
院内感染
,
予防接種
,
ユニバーサルプリコーション
,
感染予防管理
,
病院内科
,
輸入感染症
,
外来診療
,
空気感染
Keyword:
Ambulatory Care
,
Cross Infection
,
Emergency Service, Hospital
,
Vaccination
,
Vaccines
,
Infection Control
,
Universal Precautions
pp.931-934
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017009434
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walk-in外来では,患者に関する事前情報が限られるため,ヒト-ヒト伝播する感染症の発見が遅れ,職員や患者に二次感染のリスクが生じることがある.また初療時に血液や体液に曝露する機会も多い.外来で二次感染を防ぐには,咳エチケット,手指衛生,個人防護具の使用をはじめとする標準予防策を日常的に実践することがもっとも重要である.患者の症状や経過に基づいてエンピリックに感染経路別予防策を追加したほうがよい状況をあらかじめ規定しておくと,受診早期にこれらの対策を開始することが可能となり,二次感染リスクの低減につながる.ヒト-ヒト伝播する輸入感染症をもつ患者が,事前予告なしに受診することが想定される場合は,受診早期に患者を発見・隔離する方法を検討し,定期的に関係者で訓練を行う必要がある.他部門や医療機関との情報共有や職員のワクチン接種も積極的に行うことが勧められる.
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