特集 外国人小児の診療・子育て支援
2.外国人小児が抱える医療上の問題点
-―日本小児科医会員調査より
山崎 嘉久
1
1あいち小児保健医療総合センター
キーワード:
外国人小児患者
,
医療上の課題
,
言語的コミュニケーション
Keyword:
外国人小児患者
,
医療上の課題
,
言語的コミュニケーション
pp.223-229
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001655
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日常診療においても,多様な国々からの外国人小児の受診に対応する機会が増加している.医療上の課題として,解熱薬や抗菌薬の処方を強く要求する親が多いこと,発熱や下痢症への対処法の違い,受診行動(時間や予約を守らない),治療や検査方法の違い,医師の説明と家族の理解の困難さ,言語的コミュニケーションの不十分さ,宗教や文化的背景の違いでの診察場面での困りごと,医療費の未払いやクレーム,予防接種スケジュールや種類の違い,育児や日常生活の違いなどが抽出された.その背景として,日常診療で医師と家族のコミュニケーションを支える医療通訳士などの体制が,急速な外国人小児の受診者数の拡大に呼応していないことが推測された.
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