特集 小児輸液revisited―“いつもの輸液” を見直そう
Ⅱ 各論
8.急性脳症・脳浮腫
鈴木 恵子
1
1東京女子医科大学東医療センター小児科
キーワード:
意識障害
,
輸液
,
脳浮腫
,
電解質
Keyword:
意識障害
,
輸液
,
脳浮腫
,
電解質
pp.155-161
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001630
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小児の急性脳症は生命を脅かし,神経学的後遺症が問題となる疾患である.急激で広範な非炎症性脳浮腫による機能障害を最小限に抑えるには,呼吸循環をはじめとする全身管理とけいれんのコントロールが予後を左右する.臨床病理学的に脳症のタイプが分類され,その特徴も明らかになってきたが,いまだ早期診断につながるマーカーや特異的な治療有効性のエビデンスもはっきりしない.支持療法として輸液療法を行う際の重要な点は,脳を保護するために「酸素化された血液による脳潅流の維持」を行うことである.極度の水分制限は脳の虚血を起こし脳浮腫の増悪因子となるため避け,脈拍・血圧を維持し血糖・電解質を安定させることは重要である.
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