輸液にまつわる医原性疾患

　正常な人体は，かなり極端な状態（いわゆる「大食いチャンピオン」や，海上漂流者，極端なダイエットをしている若者など）でも，すぐに危険な状態に至ることは稀である．それは腎臓をはじめとした調節臓器がバランスをとってくれているからであり，誤った輸液に関しても同様である．しかし水・電解質異常，腎不全，心不全，肝不全などその能力がすでに破綻している病態では，誤った輸液は即危険な状態に陥らせてしまう．

　ここでは時々みられる輸液の誤りにつき，実際にあった事例などを元に解説する．