綜説
子どもの睡眠負債
-―影響と対策を考える
駒田 陽子
1
1明治薬科大学リベラルアーツ
キーワード:
睡眠負債
,
睡眠不足
,
クロノタイプ
,
成長
Keyword:
睡眠負債
,
睡眠不足
,
クロノタイプ
,
成長
pp.1760-1767
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001572
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
成長期の子どもに必要な睡眠時間は小学生で9~11時間,中高生で8~10時間とされており,日本の子どもの多くが推奨睡眠時間を確保できていない.睡眠が不足することによって学業面,心,体の成長に負の影響が生ずることが明らかになっている.睡眠には,心身を休養させ,脳と身体を成長させる機能があり,適切な量の睡眠を確保することは心身の健康にとって重要である.夜型化や睡眠時間短縮の背景には,家庭環境,習い事や部活動,ゲーム・スマートフォンの使用といった社会的要因と,思春期における睡眠の変化という生物学的要因が関連しているため,子どもの睡眠の特徴をふまえた対応を考えていく必要がある.また,睡眠の状態や眠気を子ども自身にモニターさせ,自分で生活習慣をコントロールする力を育んでいくことが大切である.
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.