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易感染性を呈する児の観察調査
-—IgG2と好中球数に着目して
河上 千尋
1,2,3
,
山﨑 哲司
1
,
御前 記良
1
,
高谷 竜三
1
,
小川 哲
2
,
芦田 明
3
1済生会茨木病院小児科
2済生会吹田病院小児科
3大阪医科大学小児科
キーワード:
易感染性
,
免疫グロブリン
,
IgG2低下
,
好中球減少
Keyword:
易感染性
,
免疫グロブリン
,
IgG2低下
,
好中球減少
pp.1671-1676
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001545
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中耳炎・気管支炎・肺炎を反復する児の免疫学的背景を調べる目的で,6か月間で“易感染性”の定義を満たした15例をさらに6か月間観察した.IgG2低下(80mg/dL未満)5例,好中球減少(500/μL未満)3例,どちらもなし7例であった.IgG2低下の1例で静注型免疫グロブリン(IVIG)を,好中球減少の1例で顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を補充した.一方,IgG2低下の3例でIgG2の自然増がみられた.IgG2低下群はどちらもなし群にくらべて観察期間中の入院回数が多く,入院ありのオッズ比が高かった.感染制御に難渋するIgG2低下例に対しては,まず1か月間観察したのちIVIG投与を考えるのが妥当と思われた.
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