綜説
乳児の安全な睡眠環境
-—乳幼児突然死症候群(SIDS)を含む乳児の突然死を防ぐために
加藤 稲子
1
1金城学院大学消費生活科学研究所
キーワード:
乳幼児突然死症候群
,
SIDS
,
SUDI
,
SUID
,
睡眠環境
Keyword:
乳幼児突然死症候群
,
SIDS
,
SUDI
,
SUID
,
睡眠環境
pp.1643-1650
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001541
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乳幼児突然死症候群(SIDS)の病態について,SIDS症例で睡眠中の覚醒反応との関連について検討した.SIDS症例では皮質覚醒が減少しているのに対し,皮質下覚醒は増加しているという特徴が認められた.リスク因子とされているうつぶせ寝では皮質覚醒,皮質下覚醒ともに減少していた.これに対して母親の喫煙では児の皮質覚醒が減少,皮質下覚醒が増加しており,SIDS症例と同様の特徴が認められた.SIDSは年齢的因子に素因的因子(児の脆弱性),環境的因子が関与して発症することが示唆されており,母親の喫煙は児の素因的因子,うつぶせ寝は環境的因子となり得ると考えられた.発症予防のためには素因的因子,環境的因子の対策を考慮する必要がある.
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