特集 川崎病―原因究明・診断・管理の進歩
5.川崎病の新しい急性期治療
濱田 洋通
1
1東京女子医科大学八千代医療センター小児科
キーワード:
川崎病
,
免疫グロブリン
,
プレドニゾロン
,
免疫抑制薬
,
医師主導治験
Keyword:
川崎病
,
免疫グロブリン
,
プレドニゾロン
,
免疫抑制薬
,
医師主導治験
pp.970-976
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001378
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本稿では川崎病の急性期治療の進歩を概説し,最近開発された新たな治療を紹介した.1983年に開発された免疫グロブリン静注療法(IVIG)はこの疾患の重大な後遺症である冠動脈病変(CAA)合併率を劇的に低下させ現在までアスピリン内服とともに標準治療を担っている.しかしCAAは数%に合併し,年間数10例の巨大瘤有病者数は減少していなかった.プレドニゾロンの用法の工夫,シクロスポリンやインフリキシマブは病態研究から治療薬開発の候補に挙がり,臨床試験によってエビデンスを蓄積しつつある.これらの成果により巨大瘤症例数は減少に転じつつある.今後は個々の患者に最適な治療法の選択基準を示すことが課題である.
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