特集 子どもと漢方―日常診療に役立つ考え方・使い方
7.インフルエンザ
黒木 春郎
1
1医療法人社団嗣業の会外房こどもクリニック
キーワード:
インフルエンザ
,
麻黄湯
,
システムバイオロジー
,
証
,
傷寒論
Keyword:
インフルエンザ
,
麻黄湯
,
システムバイオロジー
,
証
,
傷寒論
pp.272-280
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001219
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東アジア伝統医学が日本において発展したものが漢方である.その漢方薬なかでも麻黄湯はインフルエンザに有効である.西洋医学の抗ウイルス薬にはない特徴を有する.投与は,0.1g/kg/日 分2~3,3日間が目安であるが,発汗して解熱すれば麻黄湯の役割は果たしたことになる.「温服せしめて発汗させて,邪気を除く」と先人の言にある通りである.インフルエンザに伴う倦怠感,関節痛などは漢方薬により劇的に改善する.さらに,抗ウイルス薬との併用はインフルエンザの諸症状の軽快を早める.多成分薬剤としての漢方薬の作用機序は,システムバイオロジーの方法により明らかとされる.体制分が複数個所に作用していることが示された.
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