綜説
流行性筋痛症とヒトパレコウイルス
石田 倫也
1
,
白井 宏幸
1
,
白井 宏直
2
,
土岐 平
2
,
野々田 豊
2
,
岩崎 俊之
2
,
石倉 健司
2
,
野々山 勝人
3
,
佐野 貴子
4
1医療法人興生会相模台病院小児科
2北里大学医学部小児科学
3のんのキッズクリニック
4神奈川県衛生研究所微生物部
キーワード:
ヒトパレコウイルス3型
,
流行性筋痛症
,
ウイルス性筋炎
Keyword:
ヒトパレコウイルス3型
,
流行性筋痛症
,
ウイルス性筋炎
pp.1395-1400
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001044
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ヒトパレコウイルス3型(HPeV3)は,新生児や早期乳児のsepsis-like syndromeにかかわるウイルスとして注目されている.今回われわれは,同時期同地域に多発した流行性筋痛症の学童例を経験した.咽頭・便検体にてウイルス同定・分離検査を行いそのすべてからHPeV3型が検出され,原因ウイルスと考えられた.症例は6歳から12歳の学童4名で,隣接する学区の2つの小学校に通学する学童男子3名,女子1名.全症例とも同時期に発熱と咽頭痛を呈し,感冒と診断され,対症療法で軽快した.3例は発熱直後から近位筋優位に筋痛を呈し,その後増悪傾向が認められた.1例は解熱後3日経過して筋痛が顕在化した.1例は全身筋肉痛のため歩行困難を呈し入院安静加療を要したが,3例は外来で安静指示を行い筋痛は軽快した.学童齢期のHPeV3感染の報告はまれであり,これまでの報告を含めて考察する.
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