特集 感染症を病歴と診察だけで診断する!Part 2
【System 2─理詰めで追い詰める感染症編❹】
Taking pains in the diagnosis.
宮里 悠佑
1
1大阪府立急性期・総合医療センター 総合内科
キーワード:
成人ヒトパレコウイルス感染症
,
四肢近位部優位の全身性筋痛
,
流行性筋痛症
,
Bornholm病との鑑別
Keyword:
成人ヒトパレコウイルス感染症
,
四肢近位部優位の全身性筋痛
,
流行性筋痛症
,
Bornholm病との鑑別
pp.945-948
発行日 2015年10月15日
Published Date 2015/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200365
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Case
急性発熱と全身の筋痛を呈した一例
患者:20代,男性. 主訴:発熱.
現病歴:季節は秋.1週間前からの全身倦怠感,1日前から38℃の発熱,両肩優位の関節痛,全身の筋痛,後頭部〜後頸部痛が出現した.本日朝から40℃の高熱,悪寒戦慄が出現し,やや「ぼーっと」するようになったため,救急搬送となった.咳嗽や喀痰,鼻汁,咽頭痛などの上気道症状はなく,下痢や嘔吐などの消化器症状も認めなかった.
意識レベルは,JCS(Japan Coma Scale)I-1,GCS(Glasgow Coma Scale)E3V5M6.その他バイタルサインは,呼吸数24回/分,SpO2 95%(酸素 1l),体温39.9℃,脈拍数130回/分,血圧98/57mmHgであった.
身体所見上,項部硬直やjolt accentuation of headache(G1)などの髄膜刺激症状を認めたため,救急外来にて「急性細菌性髄膜炎」が疑われた.血液培養採取,デキサメタゾンおよびセフトリアキソンとバンコマイシンの点滴を開始しつつ,腰椎穿刺が施行された.髄液所見は,初圧19cmH2O,細胞数5/3mm3,蛋白27mg/dl,糖66mg/dl(血糖132mg/dl)であり,髄膜炎を疑う所見は明らかではなかった.重症敗血症(severe sepsis)が疑われ,入院となったが,さて診断は……?
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.