特集 小児神経難病の臨床
9.Angelman症候群
齋藤 伸治
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科新生児・小児医学分野
キーワード:
ゲノムインプリンティング
,
知的障害
,
てんかん
Keyword:
ゲノムインプリンティング
,
知的障害
,
てんかん
pp.961-966
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000924
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Angelman症候群は重度知的障害,てんかん,失調性歩行,容易に引き起こされる笑いなどを特徴とする症候群である.出生15,000名に1名の頻度であり,先天性疾患としては比較的頻度が高い.原因遺伝子UBE3Aは15q11-q13に位置し,神経細胞において母親由来アレルのみが発現しているインプリンティング遺伝子である.多くは孤発例であるが,まれに家族例が存在し,その場合は表現型正常の母親が保因者となり得る.UBE3Aはユビキチンタンパクリガーゼの一つである.脳における標的タンパクが同定され,病態に基づく治療法開発が進み,知的障害の治療可能性のモデルとして注目されている.
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