特集 小児神経難病の臨床
1.先天性グリコシル化異常症
岡本 伸彦
1
1大阪母子医療センター遺伝診療科・研究所代謝部門
キーワード:
先天性グリコシル化異常症
,
糖タンパク
,
質量分析法
,
phosphomannomutase-2-congenital disorder of glycosylation
Keyword:
先天性グリコシル化異常症
,
糖タンパク
,
質量分析法
,
phosphomannomutase-2-congenital disorder of glycosylation
pp.899-905
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000913
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糖タンパクにおける糖鎖はタンパク質の機能に重要である.先天性グリコシル化異常症(CDG)は,糖タンパクの糖鎖の合成過程および修飾過程にかかわる遺伝子変異により,糖タンパクの機能不足によって発症する先天代謝異常症である.多数のタイプが存在するが,最も多いPMM2-CDGでは筋緊張低下,体重増加不良,精神運動発達遅滞,てんかん,特徴的顔貌,眼科異常,臀部脂肪沈着・乳頭陥没など皮膚症状,心嚢液貯留,肝機能異常等多彩な症状を認める.胎児水腫や多臓器不全による早期死亡例から軽度知的障害のみの例など,CDGの重症度は多様である.糖鎖異常の同定には,質量分析法が有用である.
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