Japanese
English
特集 抗酸菌感染症
手背に生じたMycobacterium gordonae感染症の1例
Mycobacterium gordonae infection on the dorsum of the hand
太田 志野
1
,
八代 聖
1,2
,
馬場 裕子
1
,
河原 由恵
1
Shino OTA
1
,
Kiyoshi YASHIRO
1,2
,
Yuko BABA
1
,
Yoshie KAWAHARA
1
1けいゆう病院,皮膚科,横浜市(主任:河原由恵部長)
2慶應義塾大学医学部,皮膚科学教室
キーワード:
非結核性抗酸菌
,
Mycobacterium gordonae
,
質量分析法
,
クラリスロマイシン
Keyword:
非結核性抗酸菌
,
Mycobacterium gordonae
,
質量分析法
,
クラリスロマイシン
pp.1072-1075
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002685
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64歳,男性。園芸が趣味。10年前より存在した右手指の紅色皮疹が,外傷を契機に拡大したため受診した。右手背から示指,中指にかけて堤防状に隆起する紅色局面を認めた。病理組織学的に真皮内に好中球,形質細胞と多核巨細胞を混じる肉芽腫を認めた。組織培養より遅発育非結核性抗酸菌が検出され,質量分析法でMycobacterium gordonaeと同定された。本菌による皮膚感染症は本邦報告例が6例とまれであり,確立された治療法はない。非結核性抗酸菌は複数の抗菌薬に対し自然耐性をもつため,一般的に抗菌薬の多剤併用療法が推奨されるが,自験例はクラリスロマイシン12週間内服により軽快し,その後も再燃はない。さらなる症例の集積が望まれる。
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