特集 小児 一次救急マニュアル─帰宅可能か?二次救急か?判断のための手引き─
❹事故・外因性原因別アプローチ
8.食中毒
藤澤 卓爾
1
1藤沢こどもクリニック
キーワード:
病因
,
潜伏期
,
情報収集
,
ノロウイルス
,
カンピロバクター
Keyword:
病因
,
潜伏期
,
情報収集
,
ノロウイルス
,
カンピロバクター
pp.818-824
発行日 2019年4月30日
Published Date 2019/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000890
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食中毒の病因は多彩だが,小児では細菌やウイルスによる腸管感染症が主病因であり,なかでもノロウイルスとカンピロバクターの報告が多い.診断に近づくには,食中毒の病因や特徴をよく知り,急性胃腸炎症状や中毒症状を認める児は食中毒も鑑別に入れ,的確に情報収集を行いたい.問診では,季節,患者の広がり,推定される汚染食材・食品,潜伏期,便性や嘔吐の特徴などを徴取,診察では,全身状態の把握,脱水の評価,急性中毒症状のチェックが重要である.一次救急医療の現場では,高次医療機関への転送が必要かどうか迅速な判断が要求されるが,“食中毒” という印象に固執せず,バイアスがかかりやすい状況を冷静に評価することが必要である.
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