綜説
再生医療の実用化による脳性麻痺の予防と治療
新宅 治夫
1
1大阪市立大学大学院医学研究科障がい医学・再生医学寄附講座
キーワード:
再生医療
,
臍帯血幹細胞
,
臍帯由来間葉系幹細胞
,
脳性麻痺
,
新生児仮死
Keyword:
再生医療
,
臍帯血幹細胞
,
臍帯由来間葉系幹細胞
,
脳性麻痺
,
新生児仮死
pp.299-306
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000799
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
周産期における再生医療の実用化は,2014年に「低酸素性虚血性脳症(HIE)に対する自己臍帯血幹細胞(UCBSC)治療」として開始された.周産期のHIEは脳性麻痺(CP)の主たる原因であり,UCBSC治療は低体温療法(TH)と併用して行うとCPを半減させることができると報告されている.しかしTHの適応にならない早産児の脳室周囲白質変性症(PVL)や超低出生体重児の脳内出血(IVH)などに対する治療法として,臍帯由来の間葉系幹細胞(UCMSC)治療も自己UCBSC治療と並んで新しい治療法として注目されている.さらに自己UCBSC治療はCPの予防だけでなく,CPの治療としての臨床研究も始まっている.
Copyright © 2019, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.