６．クリニックにおける周期性発熱へのアプローチ

発熱は小児科のクリニックにおいて最もありふれた症状であるが，その原因を正確に診断することはそれほど容易ではない．発熱を繰り返す子どもの多くは一般的な感染症に繰り返し罹患しているだけであるが，重篤な疾患が隠れている場合もあり注意が必要である．第一に感染症を検索し，悪性腫瘍，リウマチ・膠原病疾患，炎症性腸疾患などがすべて否定される症例では，自己炎症性疾患の可能性を考慮する．自己炎症性疾患の診断では，典型例の臨床像を知り疾患を疑うことが第一歩となるが，発作間欠期における炎症の有無や，成長に対する影響を確認することを忘れてはならない．