特集 小児医療における診断・治療の進歩2018
Ⅱ.治療技術
26.肝移植による代謝性疾患の治療
佐々木 健吾
1
,
阪本 靖介
1
,
笠原 群生
1
1国立成育医療研究センター臓器移植センター
キーワード:
代謝性疾患
,
肝移植
,
生体肝移植
,
小児肝移植
Keyword:
代謝性疾患
,
肝移植
,
生体肝移植
,
小児肝移植
pp.1801-1808
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000678
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代謝性疾患に対する肝移植は,徐々に浸透しつつあるが,いまだ十分に確立していない領域や,未開拓な領域も存在する.18歳未満における代謝性疾患に対する生体肝移植累積数は,Wilson病が最も多く,ついでオルニチントランスカルバミラーゼ欠損症,メチルマロン酸血症が多い.小児における最近の傾向として,Wilson病が減少し,尿素サイクル異常症に対する肝移植が増加している.疾患ごとに期待される効果が異なり,肝外臓器の異常を伴うことも多いため,適応の判断が難しい場面にしばしば遭遇する.また,生体肝移植ドナーの選定においては,潜在的な異常を有している可能性があるため,注意しなければならない.
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