特集 ウイルス性肝炎を見直す
4.小児急性肝不全に対する肝移植の現状
岡田 憲樹
1
,
内田 孟
1
,
清水 誠一
1
,
福田 晃也
1
,
阪本 靖介
1
,
笠原 群生
2
1国立成育医療研究センター臓器移植センター
2国立成育医療研究センター病院長
キーワード:
小児急性肝不全
,
肝移植
,
集学的治療
Keyword:
小児急性肝不全
,
肝移植
,
集学的治療
pp.27-33
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002447
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小児急性肝不全はまれであるが,集中治療管理やときに肝移植を必要とする重篤な病態である.原因は遺伝性疾患や代謝性疾患,ウイルス性など多岐にわたるが,特定できないことが多い.2005年11月~2022年7月に当院へ搬送された小児急性肝不全昏睡型は136例であり,そのうち29例が自己肝生存,11例が肝移植が施行できず死亡していた.肝移植は96例に施行され,78例が生存,18例が死亡しており,肝移植後の10年生存率は79.4%であった.小児急性肝不全症例は病勢が速く,内科的治療で改善しない場合は肝移植の適応となるため,早期に移植施設と連携し,診断・治療を進めていくことが望ましい.
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