シリーズ最新医学講座―免疫機能検査・14
肝移植後の拒絶反応の検査
伊藤 孝司
1
,
木内 哲也
1
,
横井 暁子
1
,
笠原 群生
1
,
田中 紘一
1
Takashi ITO
1
,
Tetsuya KIUCHI
1
,
Akiko YOKOI
1
,
Muneo KASAHARA
1
,
Kouichi TANAKA
1
1京都大学医学部移植外科
キーワード:
肝移植
,
拒絶反応
,
検査
Keyword:
肝移植
,
拒絶反応
,
検査
pp.185-189
発行日 2002年2月15日
Published Date 2002/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905043
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
臨床肝移植での免疫抑制療法は,1960年代の,ステロイド,アザチオプリンの時代から,1970年代後半に開発されたシクロスポリンの登場により,拒絶反応の多くがコントロールが可能となるところまで飛躍的な進歩をみせた1).筆者らの施設においては1990年から生体肝移植治療を開始し,平成13年10月までに脳死肝移植を含めて750例の症例を行っているが,なお,拒絶反応の頻度自体は小さくはなく,免疫抑制や他の因子に伴う易感染の問題,薬剤自体の副作用の問題のほか,難治性の拒絶反応でグラフトが失われる症例も存在する2).
本稿では,当施設にてわれわれが日常行っている移植後の検査のなかから,拒絶反応の診断に関連する検査について述べ,また症例を提示しながら臨床的な拒絶反応について概説する.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.