特集 小児医療における診断・治療の進歩2018
Ⅱ.治療技術
27.造血器腫瘍に対するCAR-T療法
師川 紘一
1
,
中沢 洋三
1
1信州大学医学部小児医学教室
キーワード:
キメラ抗原受容体
,
がん免疫療法
,
細胞治療
,
遺伝子治療
Keyword:
キメラ抗原受容体
,
がん免疫療法
,
細胞治療
,
遺伝子治療
pp.1809-1814
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000679
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キメラ抗原受容体(CAR)は,腫瘍関連抗原と特異的に結合する合成T細胞受容体の総称である.CARを発現させた遺伝子改変T細胞は,高感度,高特異度,HLA非拘束性に抗腫瘍効果を発揮する.CD19特異的CAR-T細胞は,再発・治療抵抗性B前駆細胞型急性リンパ性白血病の70~90%に完全寛解をもたらすことから,米国・欧州では薬事承認されている.一方,他の造血器腫瘍に対するCAR-T細胞療法はいまだ研究開発段階にある.筆者らのグループは,骨髄系腫瘍に高発現するGM-CSF受容体を標的とするCAR-T細胞の開発を進めており,2020年の治験開始を計画している.
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