特集 小児医療における診断・治療の進歩2018
Ⅰ.診断技術
6.神経芽腫の遺伝子検査
家原 知子
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科小児科学
キーワード:
神経芽腫
,
MYCN
,
11q loss of heterozygosty
,
11qLOH
,
ploidy
Keyword:
神経芽腫
,
MYCN
,
11q loss of heterozygosty
,
11qLOH
,
ploidy
pp.1657-1662
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000658
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神経芽腫は予後良好腫瘍から,遠隔転移をきたし致死的経過をとる予後不良な腫瘍まで多岐にわたる小児がんである.この不均一性は,染色体の不安定性や,特定の遺伝子発現によるとされている.とくにMYCN増幅と腫瘍細胞のDNA量の指標であるploidy,11番染色体長腕の異常が予後に強く相関するとされ,リスク因子として利用されている.したがって,これらの因子を治療前に判定することが重要である.また,近年治療の評価方法として,画像診断,従来の腫瘍マーカーのみでなく,骨髄中の微小残存腫瘍の存在が注目されている.各種遺伝子ターゲットを用いた微小残存腫瘍の評価と予後との関連性は今後明らかになってくると思われる.
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