特集 小児のがん―最近の動向
2.神経芽腫
家原 知子
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科小児科学
キーワード:
神経芽腫
,
遺伝子異常
,
International Neuroblastoma Risk Group Staging System
,
INRGSS
,
抗GD2抗体
Keyword:
神経芽腫
,
遺伝子異常
,
International Neuroblastoma Risk Group Staging System
,
INRGSS
,
抗GD2抗体
pp.1021-1026
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000944
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神経芽腫は,低から高リスクまで多彩な病態を示す腫瘍であり,病態に応じた治療戦略が必要である.最近の動向として,新たな国際リスク分類やMIBGシンチグラフィを用いた治療評価の標準化が進んできた.さらに,MYCN遺伝子以外の遺伝子異常の発見が進み,ALK遺伝子異常の発見は治療法の開発につながっている.国際的には高リスク腫瘍は,寛解導入療法と手術摘出,造血幹細胞移植を併用した大量治療と放射線照射,後療法としての免疫療法と分化誘導療法が標準治療であるが,わが国では後療法薬がいずれも認可されておらず深刻な状況である.高リスク腫瘍については,いまだ十分な予後改善が得られておらず,さらなる治療法の開発が必要である.
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