社会小児科学
マイコプラズマ肺炎の診断と治療における今日的問題点
-―マクロライド耐性率の低下と適正診療の確立
成田 光生
1
1札幌徳洲会病院小児科
キーワード:
迅速診断
,
抗原検出
,
点突然変異
,
アジスロマイシン
,
クラリスロマイシン
Keyword:
迅速診断
,
抗原検出
,
点突然変異
,
アジスロマイシン
,
クラリスロマイシン
pp.97-106
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000318
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マイコプラズマは下気道の繊毛上皮に感染し増殖するため,抗原検出キットを用いるうえでの注意点として,下気道から菌が大量に運ばれてくるような強い咳をしていること,検体はできるだけ下気道に近い側から採取すること,などが挙げられる.直近のマクロライド耐性率には大きな地域差がみられるが,2015~2016年にかけての報告ではいずれも平均耐性率は20~40%程度であり,明らかに低下傾向にある.決していつまでも耐性菌優位の状況が続いているわけではない.この点漠然と「耐性率」とよぶのではなく,正確には「A2063Gの変異率」と考えるべきであり,今後もA2063Gを新たに作らないような治療戦略が望まれる.
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